僕がお笑いを辞めた理由。
一つだけ。センスがなかったからです。ないのは気づいてたけど所属して2年経ったある日の事。
僕は何組かのコンビで大喜利を舞台でしてました。大喜利というのはテレビの笑点でやっているあれです。
アドリブでみんな答えているのにその日は特に何も浮かばなくてふとした瞬間、もう辞めようと思いました。舞台の上で(笑)
事務所にそのまま行き相方と辞めますと言いなんか朝まで飲んでた覚えがあります。
そこにいたメンバーでも今でも付き合いのある芸人がいてある種「戦友」の感覚。同期の桜を歌ってしまいそう。この感覚ってなかなか社会人では味わえないじゃないですか?!
そこら辺はよかったなーと言う感じですね。
辞めてから相方と東京に行って一旗あげようと言われ「うん」と言ったものの心の中では行く気はなかった。
行く日を半年先に決めてしまい、バイトして金を貯めていた。
いよいよ行く10日前…
相方の家に集合した。
今まで相方には言えなかったので、今日こそと思い打ち明けた。
「やっぱ、俺やめとくわ」
気の利いた台詞も出ずそれだけ。
「わかっとたよ…。仕方ないよね。」
なんとも申し訳ない気持ちで一杯になり、彼の家をでた。
目から涙が零れ落ちるとはまさにこの事で、家に帰るまで泣きつづけた。
相方への裏切り。自分の決断力の無さ。夢が絶たれたこと。そして27才で働いた事も無いので将来への不安。
この時のことが今でも糧になっていて心の中で生き続けていると思う。